一人の男性と一人の女性が向き合って立っている。
見たところカップルというわけではなさそうだ。
二人の間には微妙な距離がある。
二人は地面に顔を落とし、男性は時折顔を上げては女性の様子を窺っている。
しばらくして、男性は思い切った様子で顔を上げ、女性に向けて口を開いた。
「あ、あのっ!!」
女性の身体が緊張で強張った。
男性は続ける。
「ず・・・・、ずっとあなたのことが好きだったんです!付き合って下さい!」
言い終わると、男性は女性の顔から目を背け再び地面に顔を落とした。
女性の次の一言を待つ。
沈黙が流れる・・・。
どれ位時が経っただろうか。
顔を赤らめた女性は口を開いてそっとこう言った。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
その声はアスファルトの地面にすっと吸い込まれてしまいそうな小さな声だったが、男性には耳を澄まさずとも聞こえてくるはっきりとした返事だった。
誰もが一度は見たことがあるであろうシーン。
恋愛映画、恋愛ドラマ、恋愛漫画の鉄板と言えば、そう、「告白」である。
冒頭から売れない小説のような文章を書いてしまったが、
女性にとってはこの「告白」という行為は付き合うまでに必要な通過儀礼になっている。
どうしてこんな事になってしまったのか。
メディアの力というのは昔から今も変わらず影響力が大きい。
この告白という行為がここまで一般的になってしまったのも、「告白の垂れ流し」 によってつくられた部分は大きい。
そんな恋愛コンテンツに毒されてしまった大多数の人たちに心の底から一言申し上げておきたい。
告白はするな。
女性が告白を待っているという間違った事実
上記でも述べたように、女性は「告白」を一種の通過儀礼と捉えていたりする。
これは間違いなく恋愛コンテンツの影響である。
いつだって女性は素敵な男性からの告白を待っている。
目を覚ませ。
いい大人がいつまでもそんな夢を見ているんじゃない。
現実は違うのである。
しかし、そんな女性も実は現実は違うことは痛いほど分かっているのである。
もっと質の悪いのは、そんな女性を見て告白をするのが当たり前だと思っている男性諸君なのだ。
女性は告白されてどう感じるか
それなりに恋愛経験のある女性が、ある日突然男性から告白される。
その男性とは、何回か会っているし、悪い印象もない。
だから今は好きかどうかはすぐには分からないけど、何度か会っていれば好きになるかも。
そんな男性に告白されるとどう感じるか。こう感じるだろう。
「重っ。。。」
告白されることによって、女性はそれに対して答えを返さないといけない。
「はい」か「いいえ」。白黒をはっきりつけないといけないのである。
お分かり頂けるだろうか。
女性は決してあなたのことを傷つけるつもりもないし、傷つけたくもないはずだ。
ただこのような状態での告白というのは、言ってしまえば「踏み絵」を目の前に置かれて
「さぁ、俺と付き合う気があるのなら、この絵を踏んでくれ!」
と言われているのと同じ状況である。
あなたの事が嫌いではないと思っていて、あなたのことをもっと知りたいと思ってくれている女性に対して、
付き合うかどうかはっきりさせるのって、ぶっちゃけ失礼じゃないだろうか。
しかもそれに対して女性がはいって言ってくれる確信はあるのだろうか。
一か八かで告白したりしていないだろうか。
付き合うためにそんな賭けをする必要はないのである。
告白しないといけない空気に負けない
では告白という通過儀礼を経ずにどのように女性に好意を伝えれば良いのだろうか。
出会い系アプリで出会った女性が、例えば、自分の住んでいるところより遠い場所に住んでいたりする場合、やっと出会えた意中の女性にあなたはここぞとばかりに告白をして気持ちを伝えたくなるかもしれない。
なぜなら、いつまた会えるか分からないからだ。
また、告白もしていないのに夜をともに過ごすようなことがあれば、いざというタイミングで相手の女性からこう言われるかもしれない。
「まだ何も言われてない」
すでに戦闘モード、待ったなしのあなたは、この言葉を聞いて焦るだろう。
気持ちを伝えないといけないと。そして、ここぞとばかりに場を仕切り直して告白してしまうのである。
間接的に相手に対する好意を伝える
相手に自分の好意を伝えたい。
相手もこちらの気持ちを待っている。
しかし告白するのはよくない。
では、どうやって自分の気持ちを相手に伝えればいいのか。
難しく考える必要はない。
間接的に伝えればいいのである。
上記のケースで考えてみよう。
やっと会えた女性。
今、気持ちを伝えないともう伝えるチャンスはないかもしれない。こう言おう。
「次は◯◯に行こう」
これだけである。
え?それだけ?と思われただろうか?
しかし、これを聞いた女性は少なくともあなたが自分の事を
「次また会いたいと思ってくれている女性」として見てくていると感じるのだ。
つまり好意である。
これから女性と一夜をともにすることになったあなた。
いよいよという時に女性からこう言われる。
「まだ何も言われていない」
臆することはない。
まだ何も言われていない、ということは、何かを言えばいいのだ。
迷わずこう言おう。
「君がかわいいから我慢できない」
これだけだ。
もし相手がそれ以上を望み、あなたもすでにその女性と付き合うつもりでいるのであれば、一方的にあなたから「好きになっちゃった」と伝えればいい。
これは告白とは違う。
なぜなら、相手に対して返事を求めていないからだ。
この好きに対しての返事の主導権はあくまで女性側にある。
そしてその返事を強要しているわけでもない。
だから女性はその気持に対して重く感じることはなく、
雰囲気さえ良ければ、そのまま一夜を過ごすこともできるだろう。
実際に付き合うかどうかはその後に決めれば良い。
まぁ、一夜を一緒に過ごしている時点である程度答えは見えているのだが。
